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モータウンビート

去る10月26日、キーボードプレイヤーでありピアニスト、作曲家、編曲家としてマルチな才能を発揮し、日本の音楽界に大きな足跡を残した佐藤博さんが逝去されました。享年65歳。 山下達郎をして「戦後最大のキーボードプレイヤー」と言わしめた佐藤博の作品は、ジャズで用いられる都会的なコード進行を取り入れた嘆美的なメロディにアイデア満載の独創的なアレンジを加え、さらにミキシングエンジニアとしても活躍した彼の技術が活かされたサウンドはクリスタルな響きを内包し、まさに唯一無二と呼んで差し支えないものでした。その先進的な楽曲は今なお多くのポップスマニアを魅了しつづけています。今回の特集では彼の残した作品を振り返りつつその遺業を偲んでいきます。

山下達郎/MONDAY BLUE(LP)
1978年リリース、山下達郎3作目のアルバムA-4に収められている「MONDAY BLUE」は佐藤博の超絶的なピアノプレイが聴けるバラード曲。プレイタイムが7分以上ある楽曲ですが雄大で美麗なメロディとなにかに憑かれたかのような鬼気迫る演奏に引き込まれ、長さをまったく感じさせません。特に間奏のクレッシェンドするエレピ、アコースティックピアノの表現の豊穣さはまさに神懸りと言っても過言ではありません。

V.A/SURF ROOL(LP)
佐藤博のトロピカルな演奏とティンパンアレイ勢との交流の深さを感じることの出来る1枚をご紹介。多羅尾伴内楽団が1979年にリリースしたサーフロックの企画盤にセカンドアルバム『TIME』から「南回帰線」「アイランドふぁんたじい」、ファーストアルバム『SUPER MARKET』から「パラダイス」の3曲を提供し、ブレッド&バター提供の「セーリング・オン・ボート」「ココナッツ・グルーブ」の2曲ではピアノで参加しています。 前出の「MONDAY BLUE」でみせた重厚なピアノプレイとは対照的に、肩の力の抜けた漂うようなボーカルやリゾート感覚いっぱいの軽やかな演奏の向こうに浮かび上がるのは、港の街、紅く染まる空、美しい南の島々…。A-7「南回帰線」のピアノプレイが白眉です。

二名敦子/カラパナ・ブラック・サンド・ビーチ(7インチ)
もう1枚、ビーチ感覚あふれる7インチを。二名敦子が1984年にリリースした清涼飲料水のCMソング「カラパナ・ブラック・サンド・ビーチ」はカッティングギターのリズムや伸びやかなボーカル、間奏で聴こえる洒脱なサックスソロが気持ちいいミディアムテンポのウェルメイドな佳曲。佐藤博はアレンジとピアノ、コーラスで参加しています。

佐藤博/アンジェリーナ(7インチ)
CMソングつながりでもう1枚。スポーツウェアーブランド・ジャンセンのCFソングとして1985年にリリースされたこの7インチは、両面ともDmx machineのドラムとMini moogのシンセベースの響きに耳を奪われる、佐藤博のプログラミング技術が遺憾なく発揮された疾走感あるコンピューター・ミュージックに仕上がっています。随所に光るセンスあふれるピアノフレーズも心憎い名曲です。

佐藤博/FUTURE FILE(LP)
オリジナルアルバムとしては7枚目の「FUTURE FILE」は、全編にわたって佐藤博の洗練されたメロディとアレンジのセンスが炸裂し心の琴線に触れる曲が並ぶ最高のAORアルバムになっています。 A-2「Together」はエルヴィス・プレスリーに影響を受けたというボーカリスト・佐藤博の確かな力量が伺えるメロウなデュエット・ソングです。 名うてのミュージシャンたちが織りなす色気に満ちたクリスタルな音像に恍惚とする、眠れない真夜中にぴったりの1枚。 

佐藤博/SUPER MARKET(LP)
記念すべきデビュー作はLAでエイモス・ギャレット、ジョー・カレロなど腕利きミュージシャンが参加して録音されたライトメロウ系の名盤。この盤では打ち込みを多用したクリアでオーシャン・ブルーなサウンドではなく、履き慣れたヴィンテージ・デニムがもつインディゴ・ブルーのような質感の音像を感じとることができます。 またA-1「私の彼氏は200歳」は日米関係を、A-4「用意はいいかな」では田中角栄首相を皮肉って歌っており、以降の作品では希薄になるポリティカルステートメントがストレートに表現されているのも、後の老成された作風とは一線を画す魅力をこの盤に与えています。吉田美奈子に提供したA-2「レインボー・シーライン」は目くるめくグルーヴの波に酔うクラッシック中のクラシック。  

佐藤博/awakening(CD)
1982年リリースの4thアルバム。「 HERBIE HANCOCK/MR. HANDS」に影響を受けLinn Electronics社のリズムマシン「LM-1」を大々的に用いて、ほぼ佐藤氏ひとりで作り上げた「MARVIN GAYE/MIDNIGHT LOVE」と並び称される打ち込みAOR/SOULの古典にして時代の返還による音の風化を超越したジャパニーズ・ポップス/AOR究極の1枚です。 佐藤氏本人の解説で「自分自身への子守唄」とあるように、グッとテンポを落とした真夏のプールサイドでまどろんでいるような気持ちのいい打ち込みグルーヴに華を添えるのは盟友・山下達郎のシンプルなカッティングギターとカナダ人女性シンガーWENDY MATTHEWSのキュートでソウルフルなボーカル。LPの帯の文句「風の色が見えた……そんな夏があった。」はまさに言い得て妙。

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